アテネから近隣国へは格安航空(LCC)が飛んで、簡単に国境を越えて観光に出かけられます。
スーツケースはホテルに預け、7㎏以内のリュックを担いで、アテネからローマへ2泊3日の海外旅行です。
悪名高いアイルランドの格安航空 ライアンエアー(Ryanair)、スカイスキャナーで検索すると最安値で一番にヒットします。しかし利用した人の評判はとにかく最悪。様々なルールがあって、少しでもルールを忘れてしまうと高額な追加料金が発生してしまうというのです。
① 荷物のルールが厳しい。(機内持ち込みサイズ 40×25×20)
公式サイト以外から申し込むと事前に持ち込みを追加することができない。
これは、リュック一つなのでクリアできる
② 事前にオンラインチェックインが必要、さらにチケットを自分で印刷して空港カウンターに差し出さねばならない。印刷を怠ると罰金70€
旅の途中なので印刷が難しい。
③ 3時間前からチェックインカウンターがオープンでたくさんの人が並ぶ。座席の指定ができなくて、座席の争奪戦になる。
巻き込まれたくない
結局、オンラインチェックインが60日前からできて渡航前に自宅でチケットを印刷できる
「Priority & 2 Cabin Bags」を購入。Priority とは優先入場で、座席も事前に予約できて、最低の不安材料は払しょくして臨みました。荷物も2個までよかったのですが、でもリュック一個で済ませました。
チケットを購入するときにプランを決めて購入しないとどんどん追加料金が発生して、格安かどうかわからなくなうような評判でした。でも変更をしないで、ルールをきちんと守ればそんなに恐れることはないのでは?
優先入場、座席指定、60日前のオンラインチェックイン、チケットの印刷が自宅で可能、これで購入したアテネ・ローマ間の往復料金は 二人分で 156.31€(18.968円)、一人だと9.500円です。安い。
優先入場と座席指定をしなければ、一人 6.693円で済みます。私はライアンエアー、機会があればまた利用したいです。ルールを守れば全く問題なし、安いのは最大の魅力。
Athens to Roma Cianpino
|
€ 35.08
|
6.693円 |
Roma Cianpino to Athens
|
€ 17.99
|
Total payment fee |
€ 2.09
|
Priority & 2 Cabin Bags(往復)
|
€ 15.0 |
|
Reserved seat(往復) |
€ 8.0 |
|
合 計 |
€ 78.16 |
|
二人分で |
€ 156.31 |
18.968円 |
アテネ中央駅前でとにかくロケーション抜群のオスカーホテル、ここを拠点にしてアテネ観光、ローマへの2泊旅行、そしてカランバカへの1泊旅行を計画しました。行動している間はスーツケースはこのホテルに預かってもらって、ローマへもカランバカへもリュック一つで身軽に旅行できました。もちろん預かり料は無料です。
このホテル、朝食付きで6000円弱、しかもその朝食が普通にビュッフェ形式で種類も多く、果物も暖かいベーコンもふんだんに並べてありました。いつも朝食はばたばたでしたが、この日は広い食堂でゆっくりと味わいながらいただきました。大きいホテルなのでお客さんも多かったです。
アテネ市内から空港に行く手段としては直通のシャトルバスが一番便利だというので、シンタグマ広場から出ているバスに乗ることにしました。空港までは約50分かかります。
ライアン航空のアテネ空港発が16:50、少なくとも3時間前に着くとして、逆算してバスには13:00までに乗ればいい、時間はゆっくりあるのでホテルからシンタグマ広場まで2.3キロメートルを歩いていくことにしました。
途中ずーっとアクロポリスの丘を望みながら、アテネ中央市場をのぞいたり、ぶらぶらと。
高層ビルが立ち並んでいるでもなく、これまで回ってきた都市とは違って、これがギリシャなのかな?って感じで、そんな中にもギリシャの危険性には気を付けながら町歩きを楽しみました。
オモニア広場周辺
パナギア カブニカレア教会
シンタグマ広場から延びるショッピング街
とぼとぼ歩きながら、シンタグマ広場に着いたのがお昼前、天気も良かったので日本にいる時のような気分で、公園のベンチでパンでもかじろうということになりました。2時間近く歩いて特に危険も感じなかったので、その時はもうすっかり油断していたのだと思います。
シンタグマ広場。噴水の後ろは国会議事堂です。
空いてるベンチがなくて、やっと見つけたベンチのそばにはホームレスと思われる人が横たわっていましたが、躊躇しながらもそこに座りました。周りには子供連れがいたり、人数も少なく閑散としていたのでそれまで肩にかけていたショルダーバッグとリュックは体の横に置いてその上からウィンドブレーカーをかけていました。
そのあと買ってきたパンを食べ終わってくずを捨てようとしていたところに、近くを掃除している女性が目に入り、その女性のところまで紙くずを届けにベンチを離れました。隣には主人が座っていたので荷物は置いたまま、戻るまで30秒くらいでしょうか。
そしてさあ、バス停に行きましょうかとリュックを担ごうとしたら、ウィンドブレーカーがベンチの下に落ちていたのです。そこでショルダーバッグがないことに気づきました。
血の気がサーっと引きました。気が動転したまま、じじがそこにいたのにそんなはずないと血眼になって探しました。近くのベンチに座っていた人に変化はなく、周りにも人影はなく、ホームレスさんは寝転んだままでした。
私はなすすべを失ってへたり込んでしまいましたが、じじは一つ隔てたベンチにいた子供連れの現地の女性にあれこれ訪ねていました。その女性も最初は何が起こったのかわからなかったようでしたが、一緒にいろいろ調べたりしてくれながら最後に、近くにツーリストポリスがあるからそこに行きなさいとアドバイスしてくれました。そこから10分くらいのところだとスマホの地図で教えてくれました。
12時過ぎてたし、すぐにでも空港行きのバスに乗ろうとしていたところだったので時間に不安がありましたが、今日を逃すと機会はないので、少し迷いながら警察署に走りこみました。
二人の警察官は、青ざめて飛び込んできた私たちを見ても驚く風でもなく、何を盗られたかと聞いて、マネーは戻らない、クレジットカードはすぐここから電話をかけて止めなさいと指示しました。
盗られたショルダーバックには、私の貴重品のすべてが入ってました。
スキミング防止付き財布、クレジットカード、iphone、カメラ、チケットや旅の重要書類一式。
しかも今回の旅でクレジットカードは用途別に使って見て比較しようと思って、じじの分も合わせて8枚も持っていたのです。パスポートだけは不幸中の幸いでいつもじじが持つことにしていて助かりました。
そしてクレジットカードで唯一じじが持っていたJALカードでコールセンターに電話しましたが、0120ではもちろん通じません。有料になるので警察の電話では申し訳なくて、wi-hiを使ってskype-outで電話すると申し出たのですが、遠慮はいらないからここの電話を使いなさいとばかりに貸してくれました。8枚のクレジットカードは頭の中にありましたがコールセンターの電話がわからず、ホームページからたどるにも時間がかかるしと困ってしまいました。たった1枚あったのJAL・DCカードのコールセンターに事情を説明したところ、すべてのカードのコールセンターの連絡先をホームページで調べて教えてくれました。この時の感謝と安堵は例えようがありません。
二人で手分けして電話をし、最後に盗難届を書いて、証明をもらいました。
その間、気は動転したままで、たぶん無茶苦茶なことを主張しながらだったと思いますが、警察署の方、コールセンターの方々、ほんとにこちらの意をくんで親切に対応してくださいました。
一通りできることは終わって、ポリスオフィスのトイレを借りて、お礼をしっかり言って、あとは一目散にシンタグマのバス停に走りました。バスは30分に一便しかないので、運が悪ければ無駄な時間が出るのです。
時計を見るより走ることが先決でした。
バス停が見えるところまで来るとバスが止まっていました。X95の表示のバスに乗るのですが、それかどうかわからないけど、とにかく猛ダッシュ。そしてそのバス、X95 だったのです。
今にも出発しようとしてたのを止めて、そばのキオスクで切符(6€ 2枚)を買い、飛び乗りました。
それまで下腹を抑えながら常にとぼとぼ歩きしかできなかったじじも、痛み所ではなく駆け込みました。
赤丸印が私たちが座ったベンチです。撮った写真が一枚もなくてgooglemapから切り取って加工しました。
バスに乗ってから時計を見たら13:50分。ライアンエアーは遅くとも2時間前には空港に着いてカウンターに印刷したチケットを見せねばならないことになっています。途中渋滞があったらもうそこでOUT。半分ダメ元気分、祈るばかりでした。
肝を冷やしながら乗っていたバスは渋滞するのが当たりのようでしたがこの日はそれもなく、空港のカウンターに着いたのがピッタリ2時間前の14:50、何と幸運なのか、ギリギリ間に合ったのです。
すでにチェックインは始まっていましたので急いで係官のところに行ってプリントしたチケットを見せると、搭乗口を教えてくれました。でもチケットにスタンプを押すはずなのに押してくれないので、また戻ってスタンプを押してくれというと、押さなくていいというのです。事前に調べたところによると、スタンプが押されてなければゲートのところで通過できず、戻っていると搭乗できなくなるなどと書いてあったので不安でしたが、スタンプなしでOK
でした 。
eチケットや旅に必要な重要書類は、常に2部作成し、二人でそれぞれに保持しているので、一人が失くしても旅を続ける最低条件は備わっています。毎回片方が何らかのトラブルを起こしています。
とても警戒していたライアンエアーでしたが、この時の私たちにとっては最悪どころか、ごく普通のサービスで
どこが問題なの?って感じでした。
アテネ空港を発って約2時間、ほぼ定刻のローマ時間18:00頃にチャンピーノ空港に到着しました。このチャンピーノ空港は格安会社の数社が乗り入れているだけの小さな空港です。ここからローマの中心テルミニ駅までシャトルバスが出ています。約40分です。バス乗り場は空港到着ターミナルを出たすぐ目の前の広場にありました。
私たちが予約していたBnBはテルミニ駅のすぐそばだったので簡単に探せると思ってましたが、それが相当手こずりました。テルミニ駅が大きくて、さらに夜だったこともありバスの終点が駅から見てどの位置にあるかがまずわからず、iphoneのgooglemapも位置確認が不安定で右往左往。時間をかけてやっとマークしている傍まで来ているはずなのに、建物が全く探せないのです。小雨の降る中寒くて・・・。
とうとう電話して、やっと迎えに来てもらいました。BnBの予約は考え物です。特に夜到着は探すのが至難の業。その点ホテルだったら大きく看板が出てるのですぐ見つかり安心です。
ほんと駅のすぐ横にあって、知るととても便利のところでした。傍には空港行きのシャトルバスの停留所もあって、知ってれば終点の一つ手前で降りればよかったのです。予約時の案内にここら辺をもう少し詳しく書いてくれたらいいと思いました。
BnBはマンションビルの中の一室でした。ここのオーナーは5階に3部屋と共有の1キッチンを所有していてその中の1室を借りたのでした。表札はビルの壁にたくさんの名前に交じって小さく書かれて表示されてましたが、このような表示に慣れてないと見つけることは困難です。ドアはとても重厚で怖いくらいでした。
迎えに来てくれたオーナーの主人は英語が堪能でとても穏やかな人でした。夜遅かったにもかかわらず、観光用の地図を出して、バチカンへの行き方や有名観光地の回り方、近くのおすすめレストランなどを丁寧に教えてくれました。朝は女性が来て朝食を準備する、プリンターは自由に使っていい、などを伝えて帰って行かれました。
プリンターの使用は、たぶんライアンエアー対応への配慮かな?と感じました。
|